目抜き通りを歩きたい。

映像を作る大学生の雑記。 映画のこととか、映像のこととか、どうでもいいこととか。

「運命は踊る」

運命は踊る」を見ました。

 


ヴェネツィアで審査員大賞、イスラエルの監督による「運命は踊る」予告編

 

監督はイスラエルのサミュエル・マオス。

なんとも不条理な運命に翻弄されるある家族を描いたミステリードラマです。

 

ある夫婦のもとに、兵士である息子が戦死した、という知らせが届きます。取り乱し悲しみに暮れる2人。しかし、戦死は誤報。息子は生きていたのです。それを聞いた父親はちょっと複雑な心境…。一方息子は、なんだか現実感のない穏やかすぎる検問所にいて‥…。

 

劇中で度々登場するダンスのステップ、クルクルと回って結局元の場所に戻ってきます。

そんな抗えない運命に踊らされる人々を見下ろす超越的存在の視点のようなショットが印象的でした。

 

不条理な運命に抗おうとして起こした行動が、結局運命は変えられないどころか、その結末までの過程が変わることによって残る傷痕がさらに深くなってしまう。哀しい一人間の性ですね。

 

そんな中ラストに見えるのは果たして希望か幻想か。この幻想を見ることでさえ、ひょっとしたら結末をさらに悪くするのかもしれない。その結果は神のみぞ知る、といったところか。